M&Aの価格交渉②
売手目線で提示する価格を決めるにあたり基礎とする価値には2種類あります。
①売却対象そのものの価値
株であったり事業であったりする売却対象そのものの価値です。
買手が受け取るもの自体の価値ですので買手としてはわかりやすい。
一方で買手がトランザクション後にどう事業運営していくのかが不明のため、シナジーを見込みづらい欠点があります。
②売手が失う価値
①と似ているようで異なります。
売却対象に付随して行なっていたビジネスができなくなることで余分に失う利益があります。
例えば売手のグループ会社との取引、売手のブランドを活かしたトレードビジネスなど。
売手としてはこれらの事業を諦めるんだから補填してよ、という気持ちが働きます。
ただ買手としては知ったことないので、理解してもらうためのハードルがあります。
たいてい①<②となるので、①と②でレンジを作って交渉していくのが良さそうです。
②は買手としては知ったことないですが、シナジーで伸ばす部分をある程度織り込んだ価値を引き出すことができるかもしれません。