見積に関する会計基準整備
見積に関する情報は経営者のみぞ知るブラックボックスでしたが、会計基準の整備により投資家も知ることができる環境が整ってきました。
見積は将来キャッシュフローの増減につながり企業価値に影響するため、とても良い傾向だと思います。
「会計上の見積りの開示に関する会計基準」では項目毎に当期計上額と翌期以降のリスクに関する情報を開示します。
情報開示とともに、経営者にはプレッシャーとなってより慎重に見積計算をする効果が期待できますね。
ただコロナ対策では「見積もりが誤っていても致し方ない」と言っている点と矛盾する気もしますが。。。
のれんについては更に踏み込んでいます。
こちらはIFRSのDiscussion Paperレベルですが、企業結合会計基準の注記として取得時の根拠・目的、取得後のモニタリング状況などを開示することが求められる可能性があります。
前述の見積項目のリスクに関する情報との相乗効果も期待できますね。
ただしここまでくると、経営判断に関わる情報なので競合他社に伝わるとまずい情報もうっかり記載してしまう危険もありそうです。
よくここまで踏み込んだと若干驚いています。
選択と集中が必要な時期
キャリアが進むにつれ、選択と集中が必要になるのかもしれません。
今までいろいろな分野に手出しして、残ったのは監査とバリュエーション。
これからチャレンジしたいのは税務と決算コンサル。
でもこれから敢えてチャレンジすべきかどうか悩みます。
希少性と収益性が高いのは、監査とバリュエーションです。
監査は資格で守られているし、バリュエーションは実務経験者が少ない分野です。
一方で税務と決算コンサルは汎用的ですが収益性は前者に比べて低い。
税務は税理士との競争になり、決算コンサルは経理サポートなので報酬は低め。
あくまで監査とバリュエーションをメインとして、税務と決算コンサルは副業の位置づけか。
バリュエーションはBig4外ではハイスペックは求められないので、せっかく身に着けたスキルを減損することになってしまう。
それはもったいない。
デイトレードからの気づき
GWにamazonでセール対象になってたデイトレードを読みました。
短期トレードは流石に時間が取れず難しいけど、中期のスイングトレードには興味があるので手を出しました。
トレードを成功させるための心構えはトレード以外の場でも有効ですね。
気に入った文章はこちら。
①プロは希望を売り、初心者は希望を買う
プロは希望を根拠にせず、きちんと裏をとって確信を持ってトレードに臨む。
希望を根拠にトレードに臨むのは初心者であり、確信に基づくプロの食い物にされる。
ただし情報収集に時間をかけすぎてタイミングを逃しては元も子もないが。
転職などの重要な意思決定時には希望を当てにしてはいけない。
現職から早く離れたい、新しい仕事関係の知り合いがおらず情報収集が難しい、などの事情があるとつい楽観的に決めてしまいがち。
今の職場よりはマシだろう⇒体育会系のノリに合わない、人事が海外勤務させてくれると言ってる⇒現場の了解を得ていない、などのミスマッチが得てして起こる。
重要な意思決定ほど情報収集を念入りに行うべき。
そして時間をかけないためにスピーディーに行動しなければいけない。
②利益を勘定することは罪
利益確定前の含み益を自分のものにした気分になってはいけない。
含み益を根拠にハイリスクなトレードに手を出して、損失と含み益を失うダブルショックとなる恐れがある。
目の前の仕事に集中しなさい、ということ。
やるべきことをこなしていれば結果はおのずとついてくる。
③チャートを作れば大衆はそれに従う
チャートの変化が見えてからトレードに取り掛かるのは遅い。
変化を自ら作り出すようにトレードすれば、それに従う大衆から利益を享受できる。
個人投資家がチャートを動かすほど多額のトレードを行うことはできないが、少なくともチャートの将来変化を予想することが大切。
流行を追うだけでは成功できない。
他の人がやってるから、という理由だけで意思決定しては駄目。
自分の頭で考えて、将来流行するだろうから先行して始めようという意識が必要。
事例の無い場合、理論的に正しいことに加えて皆が納得感をもって今後も参照できるような手法を考える。
4か月ぶりの通勤
緊急事態宣言期間が終わったので、事務のためオフィスに通勤してきました。
2月から長期出張、帰ってくるとテレワークとなったため通勤は4か月ぶりでした。
以前からテレワークを推奨していたし、公式なテレワーク期間にその恩恵を改めて実感していましたが、通勤のメリットに気づくことができました。
移動中は考え事ができます。
ジョギング中に良い考えが浮かぶのと同じで、身体を動かすことで思考がスムーズになります。
仕事場所が変わることで気分転換になります。
昨日はオフィスとカフェで仕事をしましたが、都度フレッシュな気持ちで仕事を始めることができました。
当然ながらどこも空いているので、コロナ前後で通勤のストレスは大きく減少したと感じます。
この状況下であれば、むしろ通勤した方が効率的かもしれないとさえ思えます。
ただしやはり疲れます。
人目はどうしても気になるし、意外と歩く距離があるので身体的にも疲れます。
スマートウォッチでチェックすると、通勤移動で5kmぐらい歩いていました。
通常は自宅作業、気分転換したいときや対面打ち合わせが必要な際は外出、という使い分けが合理的だと思います。
木と森の中間
木を見て森を見ず、とよく言われます。
中間の林ぐらいを見るのが丁度良いのではないでしょうか。
ジョギングするときには数十メートル先の目標物(標識、看板、電信柱など)を決めて、そこから目をそらさずに一直線に走っています。
一点に集中することで余計なものが目に入らず、身体の動きや考え事に集中できる。
ただし足元がおろそかになり躓きそうになる、風景を楽しめない、集中力が持たないといった弊害もあります。
かといってジョギングルート全体を見ることは当然できない。
ふと思いついて、目標物を含めて視界に入るものは一通り見ながら走るようにしました。
目標物はぼんやりと視界の片隅に入れておきつつ、まわりの風景も見る。
木に過度に集中することのデメリットが消えます。
目標物までのルートにはこだわりません。
最短距離ではなくても、暑さをしのげる木陰や人通りの少ない(密を避ける)ルートを選びます。
仕事や趣味の目標の立て方も同じかもしれません。
例えば仕事で独立開業したいという目標があったとして、そこに向かって盲目的に一直線。
ではなく、現在の仕事や他に目標としてふさわしいものが無いかを意識しながら緩やかに進んでいくのが良い(経済的・精神的に安心)のではないでしょうか。
120%に出会う
今年3月に母校の卒業式で、卒業生にこの言葉が贈られました。
「流行りに左右されず、自分が面白いと思いやり甲斐があると感じることに向かって進むこと。流行りは5年もすれば変わってしまうし、自分の80%か90%ぐらいの力しか発揮できない。やり甲斐があると自分が思うことに全力で向かえば120%ぐらいの力が発揮できる。」
異常事態の不安に駆られて、次のアクション探しに右往左往している私はハッとさせられました。
先行きが見えづらい一方で空き時間があると、色々な流行り事に手を出してしまいます。
コロナショックで株価が下がったので株式投資、テクノロジーの利用が加速しそうだからプログラミング、等。
流行を追ってもモチベーションが続かず、時間をかけた割には大した成果はあがっていません。
一方で過去自分が大きな成果を出した経験を振り返ると、たしかに流行を追ったものではなく、自分で考え決断したもので占められます。
- ダンス(社会人になってからの遅いスタート)
- 会計士試験(J-SOXバブルの直前で比較的合格率の低い時期)
- バリュエーション(当初興味がなかったが、面接で進められて)
流行を追うことは、時間を浪費するだけでなく「120%」と出会うための感度を下げるノイズになりかねません。
いまは不安な時期ですが、その不安と向き合って(極端ですが)絶望することで自分が本当にやりたいことを模索する必要があるのだと感じます。
絶望して自分の弱さをさらけ出すことで余計なプライドに邪魔されずに謙虚さをもって成果を積み重ねることができる。
貴重な気付きを与えてくれた母校に感謝します(自分の卒業式で贈られた言葉はまったく覚えていませんが、、、)。
緊急事態宣言後の働き方
緊急事態宣言が明けて、経済活動がゆっくりと元に戻りつつあります。
ただしコロナショック前とまったく同じ状態には戻らないことは確実です。
働き方を変える必要があると考えており、具体的には今まで以上に「信頼」をKPIとして意識しようと思います。
なぜなら今後は「信頼」を得る手段が限られるとともに希少価値が高まっていくと考えるからです。
テレワークが常態化することでクライアントや同僚と直接会う機会が以前と比べて減ることになります。
ちょっとした雑談などの仕事外で自分のキャラクターや能力を伝えて信頼を得ることが難しくなります。
また、プロジェクトの数自体も減ることからコミュニケーションの機会自体が喪失します。
クライアントは限られた協業機会から次の発注先を判断しなければならなくなるので、信頼できる相手を選別するようになると考えられます。
皆が同じ環境下に置かれる中でどれだけ抜きんでるか。
逆にチャンスだと思っています。
- テレワークが原則となるが、週に2回ほどはオフィスに行く。テレワークは通勤時間の削減やマイペースを保てることがメリットだが、同僚との一体感や気軽なアドバイスの交換機会が失われる。バランスをとることが必要。
- より丁寧かつ分かりやすいアウトプットを作る。以前は口頭でフォローしていたことも文書化することで、クライアントとの限られたコミュニケーション機会を効率化して幅広く会話(雑談含む)できる。
- コンプライアンスを重視する。プロジェクトごとの予算管理を丁寧に行うことで、収益性を意識してボスと同じ目線で会話する。
- 研修などのプロジェクト外の業務も舐めずに効果を意識して取り組む。Availableスタッフの扱いは今年一年の課題になることが確実。
つらつらと書き出してみると、やるべきことが出来ていなかったことに気づくことができるという副産物もありました。
つまりは「信頼」を意識せず、悪く言えば独りよがりな働き方であったと反省します。
コロナショックは良いきっかけであったと思えるように行動していきたいものです。