ROICによる価値分析
ROICを見れば、計算した価値の妥当性・源泉を把握することができます。
分析の方法
2つあります。
1つ目はWACCとの比較。
資金の調達コストがWACC・投資マージンがROICとなる関係ですので、WACCを上回らないと価値は出ません。
投資の成果が調達額を下回る=価値が簿価純資産を下回ることになります。
2つ目はROICの分解。
「ROIC = 税後営業利益 / 投下資本」を分解すると、「ROIC = 税後営業利益 / 売上 × 売上 / 投下資本」となります。
分解後の右辺1つ目はNOPATマージン、2つ目は投下資本回転率となります。
それぞれの水準感を見ることで、P/LサイドとB/Sサイドどちらが収益源泉(価値の毀損要因)であるのかが把握できます。
例えば
WACC7.5%に対してROIC5%となり、思ったような価値が出ない。
ROICを分解するとNOPATマージン2.5%は業種平均と一致するが、投下資本回転率が業種平均3.0に対して2.0であった。
さらに資産種別に分類すると在庫回転率が著しく低く、これは在庫の滞留が生じているためである。
分析結果の活用
分析結果はクライアントへの説明、計画の見直し、価格交渉の材料などに活用できます。
ぜひ試してみてください。