ベンチャーの資本政策(普通株式と優先株式)
ベンチャー企業のバリュエーション提案を作成しています。
クライアントが普通株式で出資するのか、優先株式で出資するのかで評価手法が変わるのではと悩んでいたのですが、大抵のケースは変わらないとの考えに至りました。
すなわち単純に100%ベースの株式価値を求めて、それを発行済み株式数で除して1株価値を求めれば終わり。
①優先株式の権利内容
残余財産分配権、(会社による)取得条項付、拒否権、役員選任権あたり。
(よくある優先配当権は、そもそもベンチャーは配当原資が乏しいので無意味。投資家もキャピタルゲインで儲けようとしている。)
普通株式に比べて明らかに有利とはいえない。
IPO後に優先権がどう値付けされるのかわかりづらいし、売りづらいから。
どうせ転換されるなら区別しなくて良い。
③そもそもアバウトな評価手法
ベンチャー企業の評価はアバウトです。
足元大赤字の事業が将来黒字化するアグレッシブな計画、当該リスクを反映した高い割引率、など成熟企業のバリュエーションとは大きく異なります。
そのフレームワークの中で優先株をオプション評価モデルを駆使して厳密に評価することにどこまで意味があるのか?(しかも高額な報酬を払ってまで)
報酬が抑えられる割りに検討ポイントが多く厄介なベンチャー企業のバリュエーションですが、事業内容が画期的でインタビューしてるだけでも面白いのでコスパ度外視でいってしまいそうです。