FAS会計士ハヤマの仕事術

大手監査法人を経て、Big4 FASのバリュエーション部門で働く会計士が呟く仕事術 etc.

電通によるセプテーニへの20%出資

先日、電通によるネット広告代理店セプテーニの株式に対するTOBが完了し、セプテーニ電通の持分法適用会社となりました。

買付価格は1株当たり260円、総額約88億円の取引です。

なおTOB発表時(10/30)の株価は134円、TOB完了時(12/11時点)の株価は220円でした。

http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/1212-009664.html

 

TOB発表時の株価に対して買付価格が倍という高いプレミアムがつきました。

ざっくりマルチプルでバリュエーションしても1株216円。高いです。

※1,235百万円(2018年9月期EBITDA) × 10倍(ダモダラン EV/EBITDA) + 14,922百万円(2018年9月末現預金) = 27,272百万円(株式価値)

  27,272百万円 ÷ 126百万株 = 216円

 

おそらく電通は自らがセプテーニの事業に関わることで、高成長を企図しているのではないでしょうか。

セプテーニの直近売上成長率が3%であるのに対して、電通のネット広告売上は9.5%成長、国内のネット広告費は15%成長していることから、成長余力はありそうです。

http://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/2017/media3.html

https://ssl4.eir-parts.net/doc/4324/ir_material_for_fiscal_ym1/49534/00.pdf

 

また、電通の主要顧客であろう大手クライアントがネット広告の効果に疑問を呈しているとの報道があることから、

セプテーニのもつ中小クライアントを取り込む狙いもあるかもしれません。

https://toyokeizai.net/articles/-/209609