FAS会計士ハヤマの仕事術

大手監査法人を経て、Big4 FASのバリュエーション部門で働く会計士が呟く仕事術 etc.

法人税申告書別表五(一)

税務申告の手伝いをするようになり、あらためて税務申告書の作りを確認しています。

その中でまず気になったのは別表五(一)の利益積立金額の計算。

会計士試験で法人税は当然出題されるのですが、出題は別表四の加減算調整がほとんどで、利益積立金額にはほぼ触れずじまいでした。

 

利益積立金額とは、主に会計上の純資産に、会計と税務の不一致かつ留保の金額を加減算し、当期確定した法人・住民税の未払分を控除して決まるもの。

会計上の数値をスタートに調整を加えるのは、別表四と同じ考え方ですね。

受験時代は利益積立金を示す目的が理解できていなかったのですが、一時差異の残高が一覧になっていて面白いです。

作りを理解することで利益積立金のイメージと計算パターンが腹落ちしました。

 

あとわからなかったのが当期確定した法人・住民税の未払分を控除する点。

これは申告したときにはじめて確定債務となり利益積立金額から控除される。

ただ控除は確定なので(申告に間違いがなければ)、最初から利益積立金額から控除しておこうということですね。

 

最後に申告書の作成順序について。

会計決算を固めるには確定した法人税等の額が必要ですが、税務申告は未払法人税等が決まらないと終わらないのですが。。。

このとき、別表4を未払法人税等を引き当てる前の当期純利益(=税前利益から中間納付の法人税等を差し引いたもの)で法人税等を計算してしまうと。

計算問題解いてただけではわからない実務です、面白い。