WACCの負債比率
WACCの計算で重要な負債比率。
Debt to Capital、Gearingとも言います。
この比率の基礎を何を使用するかで評価結果が大きく変わってきます。
一般的なのは類似会社平均
評価対象会社に類似する会社の平均を用いることが一般的です。
類似会社の平均水準がその業種の典型であり、その水準に収斂していくことになるという考え方です。
客観性が長所ですが、一方で評価対象会社とまったく同一の会社は存在しないことや類似会社の選定に工数を要する点が短所です。
評価対象会社を使用することも
評価対象会社が負債比率に関する何らか特殊な事情がある場合はそれを鑑みて、評価対象会社の負債比率を使用することもあります。
例えば親会社保証により多額の借入が可能、など。
親会社のサポートが価値の源泉のひとつという考え方です。
シナジー効果は減損テスト時に考慮されないのでは?との心配も聞きますが、使用価値(株の保有者が運営することで生まれる価値)を前提にすれば考慮可能です。
ただし類似会社平均を使用しない理屈付けは必ず必要となります。
要はキャッシュフローとの整合
最適資本構成うんぬんという話はありますが、要は計画のキャッシュフローと整合するかどうかです。
当たり前ですが、割引率はキャッシュフローを割り引くために存在するのですから。
高い負債比率を前提にキャッシュフローを生み出します!と自信を持って主張できるのであれば、割引率の計算はそれに従う他ありません。