非流動性ディスカウントの判断基準と類似会社の整合(WACC vs Multiple)
同僚から受けた質問が面白かったのでメモ。
①DCF方式で算定した支配権ベースの価値に非流動性ディスカウントを考慮すべきか?
買い手が100%完全支配の場合は考慮しないことが一般的。
売却の意思決定は買い手の裁量で実施可能だから。
一方で100%未満の場合は検討の余地あり。
株主間契約で譲渡には他の株主の同意が必要、譲渡制限があるなどの場合は、考慮することがある。
②WACC計算とMultiple計算で使用する類似会社は整合させるべきか?
整合させるのが望ましいが、事情によっては異なる類似会社の使用も仕方ない。
例えばWACC計算で要するヒストリカルデータが取れない(上場間もない場合、取引停止期間がある場合など)が、業績予想を出していて評価時点で株価がついているような会社であれば、Multipleの方のみ使用される。