FAS会計士ハヤマの仕事術

大手監査法人を経て、Big4 FASのバリュエーション部門で働く会計士が呟く仕事術 etc.

バリュエーションモデルのテンプレートは必要か

バリュエーションの現場ではよく話題になります。

M&Aの件数が少なかったころはモデルの作りこみに時間をかけられたので特段不要でした。

むしろいちから作ったほうが理解が進むため、奨励されていたと思います。

個人的には作ったほうが良いと思っています。

 

なぜテンプレートが必要か

いちから作っていたのでは時間がかかりすぎます。

多くの件数を効率的にさばくことができません。

 

ミスも増えます。

とくに件数をさばくために未経験の若手スタッフを増やすと、ミスのオンパレードです。

 

少し本質からずれますが、作成者によってレイアウトがバラバラになるのも問題です。

レビューしづらいし、ファームのブランディングにも関わります。

 

よくあるミス

運転資本のプラスマイナス逆にするケースは頻発します。

残高の増減は、キャッシュフローの増減として見ると逆転します。

 

Terminal Valueの計算はミスの宝庫です。

成長率の漏れ、運転資本の成長計算ミス(増減に成長率かけるのは駄目)、割引計算ミス(計画最終年度と同時点から割り引きます)。

 

ただし使い分けが必要

テンプレートは作れるなら当然作ったほうが良いです。

一方で職人的な作りこみが求められるPPAやオプション評価の場合は、型にはめることで発想の妨げになるリスクがあるので注意が必要です。