FAS会計士ハヤマの仕事術

大手監査法人を経て、Big4 FASのバリュエーション部門で働く会計士が呟く仕事術 etc.

VRの可能性

VRの今後が面白そうです。

外出規制により、家の中にいながら出かけてた気分を味わうことのできるVRコンテンツに注目が集まっています。

https://www.moguravr.com/vr-ar-mr-weekly-news-20-5-1/

 

ゲーム・映画の動画コンテンツはもともと人気がありましたが、最近ではVR旅行が人気だとか。

外出規制が解けたとしても飛行機に乗って海外旅行できるまで回復するまでには時間がかかりそうです。

旅行会社が体験版として提供することもあるようです。

実際に訪れてみてガッカリすることが減りそうです。

 

さらに驚くのはVR墓参り。

遠出できない高齢者向けに、スタッフが実際に墓参りしたときの動画を見せて墓参り気分を味わってもらうそうです。

 

その他、会議や展示会といったビジネスの場でも活用が見込めそう。

今後の発展が楽しみです。

ジレットのアドトラック

ランチをテイクアウトするために渋谷道玄坂を歩いていたところ、髭剃りのジレットアドトラックを見かけました。

自粛期間中で広告効果が乏しいであろうこの時期の渋谷で、髭剃りの宣伝をしていることに驚きました。

何かしらメリットがあるのでしょうから、予想してみます。

 

・需要不足のため広告費が安い

・オンラインミーティングで顔がアップで映ることへの対策

・風俗目的で道玄坂エリアに来ている男性へのターゲティング

・翌日の月曜日に向けた髭剃り需要の喚起

 

ちなみにトラックには水泳の瀬戸大也選手の写真が貼られていました。

水泳選手は水の抵抗力を弱めてタイムをあげるために髭剃りが重要とのこと。

なるほど。

Apple watchアクティビティ

毎朝ジョギングはしているものの、日中身体を動かす機会があまりありません。

そこでApple Watchを常につけることで、アクティビティ機能のアラートを鳴らすようにしました。

スタンドアップのアラートがとくに役立ちます。

座って本を読んだりゲームをしたりの中で、スタンドアップする回数がどうしても少なくなりがちです。

立ち上がることで気分転換になりリフレッシュできます。

身体にもきっと良いのだと思うので、継続していきます。

基礎学力の向上

ゴールデンウィークは基礎学力の向上に努めます。

具体的には経済学と統計学の書籍を読むことと、統計解析の実践です。

 

学生時代は真面目に勉強しておらず、仕事で行き詰まる場面が増えてきました。

会計税務の知識があれば監査や簡単なDD/Valuationはこなせるのですが、クライアントとM&Aの経済性についてディスカッションやオプション評価の場面では、経済学・統計学の知識が欲しいです。

ワークシェアリング

プロジェクトの総数が減ってきている中でスタッフを余らせないために、社内でワークシェアリングが流行っています。

1人で十分な作業を2人3人で分担して実施するというもの。

 

メリットは、離職防止とレピュテーション維持。

アサインが減ると辞めるスタッフが出てきます。

また「あの会社は面倒見が悪い」などの噂が広まるのを防止するためでもあります。

 

デメリットは、コスト増と品質低下。

分担することで情報伝達のコストがかかります。

得てして複数でひとつの成果物を作ると統一感が無くなり、品質は低下します。

 

組織の中長期的運営、従業員満足度の観点では、メリットを取ることが大切なのは理解できます。

ただクライアントにとってはデメリットの方が大きいのではないでしょうか。

社内向けの業務であれば品質ダウンは許されることであっても、社外向けでは許されません。

 

人の能力の差が品質に直結するアドバイザリー業務であれば尚更に品質低下につながるワークシェアリングは避けるべきだと思います。

統計学に基づく疑い

改めて統計学を勉強し直しています。

コロナのニュースと関連づけると面白そうです。

 

ニュースで伝えられる専門家の意見を理解するうえで大切なことは3点かと思っています。

① 根拠はあるのか?

② その根拠と意見に因果関係はあるのか?

③ その根拠の説明力は高いのか?

 

例えば政府は「感染拡大収束の兆しが見えないので緊急事態宣言を延長する」と意見していますが、

① 感染拡大収束の兆しが見えないとする根拠は何なのか?

② 新規感染者数が高止まりしていることが根拠だとしたら、新規感染者数の水準(4/28の東京都においては112人)が収束の兆しが見えないとするロジックは?何人まで減れば収束の兆しが見えるのか?

③ ロジックは十分な分析(十分なサンプリング、低い誤差など)に基づいた説明力の高いものか?

 

新聞では定性的な説明が中心なので定量的に納得するためには、独自で調べて行くほか無さそうです。

ROE偏重経営の是非

日経にROE偏重経営のもろさについての記事が掲載されていました。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO5742458030032020SHA000?disablepcview=&s=5

 

記事の中ではアメリカの航空会社がROEを上げるために自社株買い等でEquityの圧縮を過度に進めたことで、コロナ下で運転資金不足に陥っているというものでした。

従って自己資本比率を高める経営が望ましいという論調です。

Equityの大小にかかわらずCashが枯渇すれば運転資金不足に陥りますが、おそらくEquityが大きい=手元資金が潤沢だと言いたいのだと思います。

 

個人的にはEquityの圧縮は合理的な経営判断であり、今後も続くと思います。

 

まずコロナのような緊急事態に備えて手元資金を増やすことは不合理です。

将来の成長につながる投資もしくは株主に資金を返すのがあるべきです。

100年に一度の危機にビクビクして機会費用を垂れ流すのが正しい経営判断といえるでしょうか。

 

次に航空会社のようにインフラ関連の企業であれば、政府が救済せざるを得ない事情もあります。

経営危機に陥っても政府が助けてくれることがわかっているのであれば、多少過度な株主へのリターンを追求することは合理的です。

この判断はゲーム理論のディシジョンツリーで説明可能です。

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時系列の後ろから見ていくのがポイントです。

①は政府の判断であり、経営危機に陥った航空会社を救済する方が無視して倒産させるよりも政府の利得が大きい(1 > -1)。

従って政府は航空会社を救済するはずです。

遡って②は会社の判断であり、経営危機に陥ったときに政府が救済されていることがわかっていればリスク選好経営の方が保守的経営に比べて会社の利得は大きい(2 > 1)。

 

航空会社は今後もROEを重視した経営を取ることでしょう。

抑制するためには何らか政府が規制を作り、航空会社が保守的経営をとったときの利得を最大化することが必要になります。