監査人のジレンマ
ナッシュ均衡の条件はこちら。
①自分ひとりだけが戦略を変えても得をしない状態
②各人の戦略が互いに最適反応となっている状態
ナッシュ均衡の例示として有名なものが「囚人のジレンマ」です。
2人の囚人がそれぞれ罪を告白するか黙秘するかで刑期が変動するというケースでジレンマが生じます。
双方のシミュレーション結果、告白することが最も合理的であるということを説明しています。
監査人もジレンマに囚われることがある。
例えば、経理ミスを指摘するかどうか。
金額的な重要性が乏しい場合で経理担当者が気付いていない場合には迷います。
条件①
指摘することで監査調書の追加が必要になる、決算が遅れるかもしれない、経理担当者との関係が悪化するかもしれない。。。
経理担当者が黙っているのだから、自分が指摘しなかったことが咎められる心配はないのではないか。。。
条件②
金額的重要性はなく、このまま決算が締まっても外部から指摘される可能性は低い
しかしやはり指摘すべきです。
その場は切り抜けられたとしても、発覚したときの損失(法人内での評判、会社からの信頼のダウン)が大きすぎます。
その場しのぎのメリットと将来の大きなデメリットの比較が必要です。