存在しないものを想像する力
星野智幸さんの「ててなし子クラブ」という短編小説を読みました。
父親を亡くした高校生たちが父親の話題を想像してお喋りをする、という作品です。
存在しないものがどう振舞うかを具体的に他人に伝えるという高度な想像力に打ちのめされました。
終盤では父親と喧嘩して殴られて出血する、カップルがそれぞれの父親の4人で鍋をつつくシーンまであって、人の想像力の凄みを感じさせられました。
そこまで高度ではないにせよ、FAの仕事も想像力が求められる仕事であると日々痛感しています。
M&Aを進める中でクライントからの質問に的確に答え、社内調整のアクションプランまでアウトプットすることが期待されています。
その論点は会計にとどまらず税務・法務など多岐にわたる。
聞かれてから調べるのでは期待に追いつかないため、事前に何を聞かれるか想像して準備しておかなくてはなりません。
ただ知識があるだけではダメで、プロジェクト序盤でクライアントの発言をじっくり聞いてどんな論点を気にするタイプなのかを正確につかんでおくことが大切だと思います。