FAS会計士ハヤマの仕事術

大手監査法人を経て、Big4 FASのバリュエーション部門で働く会計士が呟く仕事術 etc.

専門家の利用のコツ

仕事を進めるうえで専門家のアドバイスを受ける場面があります。

M&Aでいえば財務・税務・法務などの専門家からのデューデリジェンスやバリュエーションといったアドバイスがあります。

身近な場面では取引先との契約書締結時の社内法務からのアドバイスなど。

彼らをうまく利用するコツは「当てにし過ぎないこと」だと思います。

 

専門家のアドバイスはあくまで教科書通り

彼らのアドバイスの多くは良くも悪くも教科書通りです。

法律に則った一般論としての答えは得意であるものの、個別の案件への当てはめは不得意になりがち。

私も会計監査をやっていた頃は、クライアントの経理の方からの質問に対する回答が一般論から抜け出せず、しばしお叱りを受けることがありました。

 

取引先と社内法務に挟まれて右往左往

アドバイザリー業務で契約書を締結する際に窓口となって文言の修正やりとりをするのですが、その過程で社内法務にチェックしてもらいます。

ただし彼らからの回答をそのままクライアントに伝えてもなかなか納得していただけません。

メールが何往復にもわたり、まずいことに炎上の兆しすら見えてきます。

 

自分の言葉で取引先に説明することが必要

うまく着地させるためには、窓口となるアドバイザーが法務のコメントを理解し、案件に当てはめてクライアントに伝える必要があります。

専門外ではありますが、法律に則ったアドバイスをするうえで自社の契約書を満足に説明できないとクライアントに不安を与えてしまう可能性があります。

M&Aの社内稟議で各アドバイザーのレポートを役員に説明するのも似た話でしょう。